愛媛県の医院開業動向情報
診療所数が多く、開業地の選択には戦略が必要。
愛媛県は瀬戸内海式の温暖な気候で知られています。一般診療所数は愛媛県内に約1,250施設。四国地方ではもっとも多い数値になります。人口10万人当たりの診療所数に換算すると89.4施設と、全国平均の79.1施設を大きく上回る充実度です。
とくに県庁所在地の松山市では、病院・診療所ともに充実度が高く、医療が市民に行き届いていることの証しだといえます。患者さんがある程度分散することで、開業の際にも程よい忙しさの中で働くことができるでしょう。四国地方の北西部に位置する愛媛県は、北は瀬戸内海、西は宇和海に面した三方を海に囲まれた県です。南には西日本最高峰の石鎚山を有する四国山地もあり、自然環境にも恵まれています。みかんや伊予柑といった柑橘類、近海の魚介など、おいしい食べ物が充実している県でもあります。
愛媛県の一般診療所数は、四国地方最多の約1,250施設。しかも、診療所数は平成16年から平成26年にかけて3.1%の伸びを示しており、さらに開業の動きは拡大しています。
また、愛媛県の「地域医療再生計画」によると、人口10万人当たりの医師数の県平均は244.7人です。これは全国平均の230.4人よりも高い数値となっています。
ただし一方で、地域による医師の偏在が問題となっています。松山市の人口10万人当たりの医師数が308.5人と突出して高いほかは、すべての地域で医師が足りていません。第2位の宇和島が218.1人、以下新居浜・西条は203.6人、八幡浜・大洲が182.7人、今治は182.0人、そして宇摩は155.2人と、それぞれ医師不足が懸念されています。 さらに平成18年から平成22年までの推移でみると、松山、宇和島圏域を除く4圏域で医師数が減少しています。愛媛県の開業数がとりわけ多いのは、松山市周辺だけだと考えた方がよいでしょう。またそれゆえ、近隣に大きな病院がなく、医師不足に悩む地域では開業のチャンスが非常に高いといえます。