熊本県の医院開業動向情報
九州地方の他県に比べると診療所数は少なめ。
世界一のカルデラを有する阿蘇山や、日本三名城のひとつ熊本城などで知られる熊本県。九州地方のほぼ中央に位置しており、JR九州新幹線や九州自動車道によって九州各地へのアクセスも便利なところです。
熊本県の一般診療所数は約1,470施設。人口10万人当たりの一般診療所数では82.0施設となります。全国平均である79.1施設を若干上回っていますが、沖縄県を除く九州各県では軒並み80施設を超えており、熊本県でも医療施設のさらなる充実を図っています。
まだまだ診療所の開業は求められているといえるでしょう。九州第2の都市がある熊本県。約180万の人口を有し、県庁所在地は平成24年に政令指定都市に指定された熊本市です。熊本市には、県の人口の3分の1以上が集中しており、熊本の政治・経済・文化の中心地となっています。また県土の6割を森林が占め、黒川温泉、阿蘇山、菊池渓谷など自然豊かな観光地としても知られています。
熊本県にある一般診療所数は約1,470施設。都道府県別の診療所数の推移を見ると、平成16年から平成26年にかけて14施設が減少しています。これは増減率にすると-1.0%、全国平均が3.5%という数値ですから、まだまだ診療所の開業が求められています。
人口10万人当たりの一般診療所数でも82.0施設と全国平均(79.1施設)をわずかに上回る程度です。今後、高齢化によって在宅療養支援診療所などのニーズが高まっていくとみられますから、在宅医療を専門とする診療所の数も増えていくのではと考えられています。
地域では熊本市への診療所の集中が顕著となっており、他の地域では逆に診療所の開業ニーズが高まっています。とくに周囲を海に囲まれた天草地方では地域医療の核となる公立病院の医師不足が顕著で、診療所やクリニックにかけられている期待も大きいです。
熊本市(政令指定都市) 医院開業動向情報・医師クリニック開業情報
熊本県の県庁所在地であり、政令指定都市でもある熊本市。厚生労働省の「都道府県-指定都市-中核市別にみた医療施設数-病床数」から見ると、市内に立地している診療所の数は約580施設です。これを人口10万対診療所数に換算すると、86.3施設です。
人口10万対診療所医師数では101.5人で、多くの医師が市内において活躍していることがわかります。医療水準の高いエリアで開業したい医師の方には、おすすめの地域です。
熊本県内における人口の約4割にあたる、約74万人という人口を擁する熊本市。市内のシンボルとなっている熊本城からは市内を一望でき、観光スポットとしても人気です。農業が盛んな地域として知られる熊本市ですが、熊本駅周辺は開発が続く副都心になっており、複数の高層ビルが建ち並んでいます。交通に関しては、鉄道や道路、空港とそれぞれがしっかり整備されていて、各方面へのアクセスに便利ですが、市内の住民は自動車への依存度が高いという地域的な特徴があります。
熊本市内に立地している診療所数については、県内で最も多い約580施設です。標榜科目ごとに施設数の内訳を見ていくと、一番多いのが内科で、約380施設にもなります。次に多いのが消化器内科(胃腸内科)で約175施設。一番少ないのが産科です。
診療所が充実している環境ではありますが、少ない標榜科目での開業には高いニーズがあるので、開業をお考えの方はぜひ一度検討してみてください。
人口10万人当りの診療所医師数に関しては101.5人で、多くの医師が市内で働いていることがわかります。十分に医療施設・医師が足りているかのように見えますが、これから加速していくであろう高齢化へ対応していくためには、さらに多くの医師の存在が必要です。地域の「かかりつけ医」として活躍したい方には、やりがいを持って働けるエリアでしょう。