三重県の医院開業動向情報
病院が少なく、診療所数が多いため、戦略が必要。
三重県は日本列島のほぼ中央に位置している県です。近畿地方に属し東海地方に隣接して位置しており、名古屋や大阪へもアクセスしやすい位置にあります。
三重県は一般診療所が充実している県で、県下には約1,530の診療所やクリニックがあります。これは人口10万人当たりの診療所数に換算すると83.7施設となり、全国平均の79.1施設を上回ります。三重県は病院数が若干少ないので、診療所に対する期待は大きく、これからの新規開業に対する期待も大きいといえます。三重県は日本のほぼ中央に位置し、風光明媚なリアス式海岸、紅葉狩りやスキーが楽しめる山岳など、豊かな自然に恵まれた県です。伊勢湾から水揚げされる伊勢海老をはじめ、アワビ、牡蠣、ふぐなど魚介類の宝庫としても知られ、「御食国(みけつくに)」とも呼ばれてきました。
三重県の診療所数は、平成16年から平成26年にかけて111施設増えており、増減率は7.8%になっています。もともと人口10万人当たりの診療所数は全国平均を上回っており、充実傾向にありますから、これから新規開業しようという診療所は、医師不足が問題となっている地域や、不足している診療科目を中心にしたクリニックなどに目を向けた経営戦略が必要になるでしょう。
人口10万人当たりの医師数は、都道府県順位で37位と全国平均よりも少ないです。診療所不足が懸念されている地域は、少ない方から北勢、南勢、伊賀、東紀州の順になっています。これらの地域では、高齢化が進んでいる地域も多く、介護医療や訪問医療のニーズが高まっています。一方、診療所が充実している地域は、伊勢志摩地域と津地域です。
不足している診療科目としては、小児科や産婦人科が早くから問題視されてきており、現在では外科、麻酔科、内科を志望する若手医師も減ってきているといわれています。反対に美容外科を含む形成外科は増えてきているようです。