奈良県の医院開業動向情報
診療所数の増加率が高く、開業が盛んな地域。
古からの歴史と伝統が息づく街・奈良県。京都や東京に次いで、世界遺産や国宝などが多い県なので、世界中からの観光客も多い地域です。奈良公園の園内では奈良県のシンボル「鹿」を見ることができます。
奈良県の一般診療所数は約1,190施設。これは全国平均の診療所数(2,140施設)よりも下回っていますが、人口10万人に対する診療所数に換算すると86.3施設となり、開業が活発に行われている地域です。
人口10万人当たりの医師数でも225.3人と、全国平均(237.8人)と同水準となっています。710年の平城京遷都から数えて1,300年超の歴史を有する奈良県。世界最古の木造建築「法隆寺」をはじめ、各地に寺社仏閣が残り、歴史的なスポットが多く存在します。
奈良県の医療事情で特筆すべきなのは診療所の増減率。県内には約1,190の一般診療所がありますが、平成16年から平成26年にかけて、103施設が新たに増えています。これは増減率にすると9.5%。近畿地方では滋賀県(13.7%)に次いで2位、全国で見ても6位の伸び率となっています。
そもそも、奈良県は人口10万人当たりの一般診療所数は86.3施設と、全国平均(79.1施設)を上回っており、一般診療所は比較的充実している地域です。そのような地域で開業が頻繁になされているのは、開業医志向のある医師にとって、注目のエリアだからだといえるでしょう。
医師数が多い地域は、人口36万を抱える奈良市を中心とする都市部に集中していますが、奈良市を含む奈良医療圏は、人口10万人当たりの医師数が140人であり、全国平均(237.8人)よりも下回っています。他の都道府県では県庁所在地に医師が集中する傾向があるので、奈良市は少々異なった状況にあるといえます。大病院があるのも橿原市や天理市の方になっており、奈良市は中小規模病院が多くなっています。そのため、個人開業医のクリニックに求められている期待も高いといえるでしょう。