和歌山県の医院開業動向情報
人口対比の診療所数は全国トップレベル、新規開業には戦略が必要。
近畿地方の南部に位置している和歌山県。自然豊かな県として知られ、高野山と熊野三山への参詣道は2004年に世界遺産に登録されました。
和歌山県の一般診療所数は約1,070施設。人口10万人当たりの全国平均である79.1施設と比べると、和歌山県は110.2施設となっており、充足傾向にあります。
しかし、県内にある病院の半数以上が和歌山市に集中していることからも分かるように、診療所も和歌山市に集中しており、地方では医師が足りていない状況です。そういった地域では、診療所やクリニックの開業需要が高いといえます。和歌山県は紀伊半島に位置し、県土の8割を森林が占める自然豊かな県として知られています。
和歌山県は、和歌山県立医科大学附属病院や日本赤十字社和歌山医療センターなど病床数が700を超える大規模病院もありますが、多くは400床未満の中・小規模病院です。大規模病院の機能をカバーするための診療所やクリニックも求められています。
和歌山県にある一般診療所の数は約1,070施設。平成16年から平成26年にかけて14施設しか増えていません。これは増減率にすると1.3%でやや低い水準になっています。このような数値になったのには、和歌山県内の診療所が充実していることが関係しています。人口10万人当たりの診療所数は、全国トップの110.2施設。施設数が多いと、競合相手が多くなりますから経営戦略が重要になりますが、院内が混み合わず、余裕を持った診療を行いやすいというメリットもあります。
また、和歌山市内に全体の半数以上の医師が集中してしまうという「医師の偏在」の問題もありますから、競合相手が少ない地域で開業するというケースも考えられます。とくに医師数が減少しているのは那賀や有田といった地域で、逆に、和歌山市以外で充実しているのは御坊地区です。