人工透析の医院開業動向情報
人工透析クリニックの開業のポイント!将来性や開業資金や戦略を解説
「人工透析クリニックを開業したいが、初期投資が高額になりそう」
「人工透析クリニックを開業するにはどうしたらよいの?」
糖尿病患者や高齢者の比率からすれば、しばらくは透析患者の絶対数がいきなり減ることはありませんが、今後医学の発展により人工的に腎臓が作られるようになれば、透析を離脱する人も増えるかもしれません。人工透析クリニックを開業するのであれば、事前にしっかりと戦略を立てておくことが重要です。この記事では、透析クリニックの開業のために押さえておきたいポイントを解説します。ぜひ参考にしてください。
透析患者の高齢化と診療報酬の引き下げ
日本の人工透析の需要は拡大傾向にあるといわれています。日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2020年12月31日現在)」(1)によると、2020年末時点で慢性透析療法を受けている患者総数は前年比3,031人増の34万7,671人です。有病率も年々増加傾向にあり、2020年は人口100万人あたり2,754.3人、つまり国民の363.1人に1人が透析患者であるという結果がでています。
また2020年の透析患者調査票において年齢が記されていた33万6,759人(男性22万2,510人、女性11万4,249人)の平均年齢は全体で69.4歳でした。患者さんの平均年齢は年々上昇しており、最も割合が高い年齢層は男女ともに70~74歳です。65歳未満の患者数は2012年から減少、70歳未満の患者数も2017年から減少しているため、慢性透析患者数の増加は70歳以上の患者数の増加によるものであること、患者さんの高齢化が進んでいることがわかります。
2020年末時点の慢性透析患者を原疾患別で見ると、最も多いのは糖尿病性腎症の39.5%、次いで慢性糸球体腎炎が25.3%、腎硬化症が12.1%でした。また各透析治療形態の割合としては、血液透析49.3%、血液透析濾過47.1%、血液濾過0.004%、血液吸着透析0.4%、在宅血液透析0.2%、腹膜透析(HD併用を含む)3.0%となっており、血液透析(49.3%)と血液透析濾過(47.1%)が全体の96%以上を占めています。厚生労働省「健康日本21(第二次)糖尿病・人工透析の現状」(2)によると、糖尿病の可能性が否定できない人と、糖尿病の可能性が強く疑われる人を合計した数は、2002年に約1,620万人であったのに対し、2007年には約2,210万人と約1.3倍も増加しています。その後2012年のデータでは約2,050万人に減少しているものの、依然として多い状況であることに変わりはありません。
高齢化にともなう腎機能の低下や、生活習慣病・糖尿病の悪化によって今後透析が必要になる方は増える可能性が高いといえます。
一方で、日本透析医学会の 「学術集会における統計調査速報値の公表中止について」(3)によると新規導入患者数の推移から「2021年の約34万9,000人をピークに透析患者数は減少する」と報告されています。また人工透析のレセプト(診療報酬明細書)に関しては、診療報酬改定のたびに点数が引き下げとなっています。厚生労働省「令和4年度診療報酬改定について 1.個別改定項目について」(4)では、前回改定時に比べて1回あたりの点数が39点引き下げられました。
また、関東各県の「令和3年度 保健医療機関等の診療科別平均点数一覧表」(5)~(11)と「令和4年度 保健医療機関等の診療科別平均点数一覧表」(13)~(19)において、関東各県の透析点数は平均268点引き下げられていることが分かります。
そのため今後の需要が増減どちらで推移していくのかはしっかりと見極め、減少していった場合でも売上を伸ばせるように戦略を立てていく必要があります。
人工透析クリニックの開業資金
人工透析クリニック開業にあたり、まず考えることは資金面の問題でしょう。開業資金は「設備資金」「運転資金」にわけられます。
設備資金
設備資金の一例として、下記の項目が挙げられます。
- 人工透析クリニック開業に必要な設備資金
-
- 土地・建物購入費
- クリニックの内装費
- 医療機器購入費
- 医療設備購入費
- 保証金
ビルのテナントで開業する場合と土地を購入して建物を新築する場合で土地・建物購入費は異なりますが、透析施設は一般の内科に比べて広いスペースが求められます。一般内科であれば30坪程度で開設できる場合もありますが、人工透析科は透析ベッドや人工透析用の機器のスペースが必要になるため、40~60坪程度のスペースを確保しておきましょう。一般的な内装工事に加え、人工透析科特有の透析用「超純水」装置や検査機器のための内装工事も必要となるため、クリニック内装費も高くなる傾向にあります。
また、血液透析は原則として週3回の通院が必要になる場合が多いため、立地選びも非常に重要です。乗換のしやすい駅から近い立地であると望ましいですが、そのような土地や物件は賃料が高くなります。人工透析科の新規来院患者は医療機関からの紹介によるものが多いため、わかりやすい場所であれば大通りに面している必要はありませんが、高齢化にともない自力での通院ができない患者さんのことを考え、送迎用の駐車場の確保は必須といえます。通院の利便性と賃料のバランスをみて、立地や物件を検討しましょう。 合わせてクリニックの内装や設備に関して、車椅子での移動もしやすいよう、クリニックの入り口や各部屋の入り口、トイレなどは広めのスペースを確保しましょう。透析時間が長い患者さんのため、快適なリクライニングベッドや無料のTVモニター、インターネット環境を完備するクリニックも増えてきています。
そして人工透析クリニックでは、透析液・透析ルート・ダイアライザなどの透析機器だけでなく、さまざまな合併症を予防するための内服薬なども必要になります。水質管理のため光熱費などの固定費も高くなることを考慮しなければなりません。
人工透析科での開業では上記のような設備資金が多く発生するため、各機器の単価と維持費などを計算し、しっかりと利益が出るように考えておく必要があります。
運転資金
次に、運転資金としては、下記の項目が挙げられます。
- 人工透析クリニック開業に必要な運転資金
-
- 従業員給与
- 福利厚生費
- 広告宣伝費
- 薬剤費
- 家賃(賃貸の場合のみ)
人工透析クリニックの売上は「単価」×「透析患者数」×「1人当たりの透析回数」で決まります。1人当たりの透析回数については患者さんの症状により異なりますが、一般社団法人全国腎臓病協議会「2016年血液透析患者 実態調査報告書」(12)によると、透析回数は「週3回」と応えた人の割合が97.1%を占めています。また1回の透析時間は「4時間以上5時間未満」と回答した人が76.1%と最も多かったことから、週3回(1回4時間以上5時間未満)、つまり月12回程度の通院が一般的といえます。
各都道府県の「令和4年度 保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」(13)~(59)で統計を取ると、人工透析クリニックのレセプト(診療報酬明細書)1件あたりの全国平均点数は8,547点です。つまり患者さん1人に対する年間の売上は、8万5,470円×12で102万5,640円となります。
一般社団法人全国腎臓病協会の2021年度「全腎協ニューズレター」第7号(60)にあるように、2022年度の点数改正により、透析患者に対して運動療法をおこなうと、あらたに透析時運動指導等管理加算として75点を追加できるようになります。ただし加算の対象条件として、一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会(61)で開催されるリハビリテーションガイドライン講習会に参加する必要があります。運動指導研修を受講した医師、看護師、理学療法士、作業療法士のいずれかが透析患者に対して運動療法をおこなうと、運動指導開始後から90日に限り、年間売上が9,000円プラスされます。
設備資金が高くなる傾向にあるため、運転資金の初期費用は極力抑えたいところですが、少なくとも医療事務と看護師、臨床工学技士の雇用は必須です。
人工透析クリニックにおける看護師の配置基準は正確には定められていませんが、単なる患者数との割合だけで判断するのではなく、自院でおこなうケアの量などを踏まえて判断するとよいでしょう。例えば透析患者は糖尿病足病変になる方が多いためフットケアや指導も院内で実施するという場合、必要な人員はその分増えます。
人工透析クリニック開業の時に注意する3つのポイント
実際に開業するときにどんなことに注意すべきかをまとめました。開業前にしっかりと把握しておきましょう。
- エリアマーケティング
- 医師会への参加と中核病院や他施設へのPR
- ホームページを活用した患者さんへのPRとマーケティング
ポイント1:エリアマーケティング
人工透析クリニックの開業において、エリアマーケティングは欠かせません。
開業予定地の周辺で、想定される透析患者数と既存の人工透析クリニックの数、診療サービスを調査し、新規患者がどの程度見込めるかを試算しましょう。人工透析は循環器内科や泌尿器科で実施している施設もあるため、透析専門のクリニックが近くにない場合でも競合相手となる医療機関は多数存在しているかもしれません。
また患者さんに地域中核病院や腎臓内科を紹介したり、逆に解析専門医として患者さんを紹介してもらったりすることもあるでしょう。そのため地域中核病院などからのアクセスの利便性も考えなければなりません。また高齢者をメインターゲットとする場合は、介護施設や地域のケアマネージャー、地域包括支援センターとの協力体制も重要です。
成功するクリニックの多くは、地域のターゲットを明確にし、患者さんの求めるサービスを提供しています。
ポイント2:医師会への参加と中核病院や他施設へのPR
他院から患者さんを紹介してもらうためには、クリニックの機能をしっかりと他院にアピールしてよさを知っていただくことが重要です。腹膜透析や在宅透析ができる、シャント造設をおこなうことができる、比較的症状の重い患者さんでも受け入れ可能など、クリニックの特徴や強みは積極的にアピールしましょう。
開業の際には病院や介護施設、地域のケアマネージャーのいる居宅支援事業所、訪問看護ステーション、地域包括支援センターなどへの挨拶をおこない、施設機能を認知していただきながら信頼関係を築いていきましょう。
ポイント3:ホームページを活用した患者さんへのPRとマーケティング
診療日や診療時間、医師の紹介など多くの人が確認する大切な情報は確実にホームページに記載しておきましょう。患者さんが複数の医療機関を比較するときにも参考となるため、自院の強みや特徴も記載できるとよいでしょう。
また長期的なSEO対策として、各透析の特徴や比較など透析に関する専門的な情報を記載することで、ホームページからの露出や流入数を増やすことに繋がります。
他の人工透析クリニックと差別化を図る方法
医学的必要性だけでなく、より高いQOLを求めて患者さんのニーズは変化しています。
人工透析クリニックで他院と差別化を図る方法を実践すれば、患者さんのニーズに応えやすくなり、「選ばれるクリニック」になる確率が上がります。
たとえば前述したフットケアの導入も、他院との差別化を図る手段の1つです。糖尿病の悪化により透析を受ける場合、透析を始める時点で足の感覚が鈍くなっていることがあります。足にできた傷から全身に影響が出る可能性もあるため、フットケアの導入は有効といえるでしょう。
その他差別化を図る方法としては、通院の利便性を考慮して夜間診療や無料送迎をおこなったり、診療内容に在宅血液透析や腹膜透析の診療を加えたりするなどの工夫が考えられます。
特に30~50代の労働世代の患者さんにとって、上記のような解析以外の付加サービスは、通院時間と透析時間の時間価値を総合的に考えてメリットがあれば、転院を考えるきっかけになるでしょう。
人工透析クリニックに今後求められること
厚生労働省は2018年7月、2028年までに年間新規透析導入患者数を3万5,000人以下に減少させるという目標を、「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~」(62)で公表しました。生活習慣病対策などに力を入れ、極力透析を導入しないようにする方針です。
また人工臓器32巻1号に掲載された「埋め込み型人工腎臓開発のステップ、基礎から臨床へ」(64)によると、現在、小型化したハイブリッド腎臓や他の動物の腎臓を移植する形でおこなわれる埋め込み型人工腎臓などの開発研究が進められています。日本は海外と比べると、移植医療の数が少ないといわれていますが、研究が進めばIPS細胞での腎移植などが進むかもしれません。
将来性のある人工透析クリニックを開業するため、新規透析患者数の獲得と維持についてしっかりと考え、マーケティングや他院との差別化に力を入れることが重要です。患者さんから支持される人工透析クリニックを開業しましょう。開業に関して不明点があれば、ぜひフォームからお問い合わせください。
- 参考URL
-
- 日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況 (2020 年 12 月 31 日現在)」
- 厚生労働省「健康日本21(第二次) 糖尿病・人工透析の現状」
- 日本透析医学会 「学術集会における統計調査速報値の公表中止について」
- 厚生労働省「令和4年度診療報酬改定について 1.個別改定項目について」
- 関東信越厚生局「令和3年度 東京都内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和3年度 神奈川県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和3年度 茨城県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和3年度 栃木県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和3年度 群馬県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和3年度 埼玉県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和3年度 千葉県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 一般社団法人全国腎臓病協議会「2016年血液透析患者 実態調査報告書」
- 関東信越厚生局「令和4年度 茨城県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 栃木県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 群馬県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 埼玉県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 千葉県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 東京都内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 神奈川県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 北海道厚生局「令和4年度 北海道内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 東北厚生局「2022年度 診療科別平均点数一覧表(青森県)」
- 東北厚生局「2022年度 診療科別平均点数一覧表(岩手県)」
- 東北厚生局「2022年度 診療科別平均点数一覧表(宮城県)」
- 東北厚生局「2022年度 診療科別平均点数一覧表(秋田県)」
- 東北厚生局「2022年度 診療科別平均点数一覧表(山形県)」
- 東北厚生局「2022年度 診療科別平均点数一覧表(福島県)」
- 関東信越厚生局「令和4年度 新潟県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 山梨県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 関東信越厚生局「令和4年度 長野県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 東海北陸厚生局「令和4年度 富山県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 東海北陸厚生局「令和4年度 石川県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 東海北陸厚生局「令和4年度 岐阜県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 東海北陸厚生局「令和4年度 静岡県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 東海北陸厚生局「令和4年度 愛知県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 東海北陸厚生局「令和4年度 三重県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 近畿厚生局「令和4年度 福井県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 近畿厚生局令和4年度 滋賀県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 近畿厚生局「令和4年度 京都府内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 近畿厚生局「令和4年度 大阪府内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 近畿厚生局「令和4年度 兵庫県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 近畿厚生局「令和4年度 奈良県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 近畿厚生局「令和4年度 和歌山県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 中国四国厚生局「令和4年度 鳥取県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 中国四国厚生局「令和4年度 島根県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 中国四国厚生局「令和4年度 岡山県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 中国四国厚生局「令和4年度 広島県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 中国四国厚生局「令和4年度 山口県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 四国厚生局「令和4年度 徳島県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 四国厚生局「令和4年度 香川県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 四国厚生局「令和4年度 愛媛県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 四国厚生局「令和4年度 高知県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 福岡県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 佐賀県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 長崎県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 熊本県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 大分県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 宮崎県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 鹿児島県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 九州厚生局「令和4年度 沖縄県内の保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」
- 一般社団法人全国腎臓病協会の2021年度「全腎協ニューズレター」第7号
- 一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会
- 厚生労働省「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~」
- 第40回日本人工臓器学会大会座長報告 ワークショップ(10)「埋め込み型人工腎臓開発のステップ、基礎から臨床へ」