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【第35回】藤原 佳典

藤原 佳典のイメージ

藤原 佳典

東京都健康長寿医療センター研究所
社会参加と地域保健研究チーム 研究部長(チームリーダー)

長年取り組む世代間交流プログラムで「三方よし」の効果が判明

東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典(ふじわら・よしのり)医師は、臨床から研究の場に軸足を移し、「世代間交流」「多世代共生の地域づくり」「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の視点で、高齢者の認知症予防とフレイル予防の研究を続けている。その具体的な予防策の一つとして注目されているのが、自ら開発した「りぷりんと」プログラム。シニアボランティアによる子どもたちへの絵本の読み聞かせプロジェクトだ。先駆的モデル事業として2004年度に3つの地域で始まった「りぷりんと」活動は、首都圏と関西圏を中心に着実に広がりを見せ、いくつもの効果がすでに実証されている。実は、コロナ禍のなか、藤原氏は自宅で家族とともに母親を看取っている。最後の数日間、夜、母親の枕元でしてあげたこと。それは、息子による母への、やはり絵本の読み聞かせだった。

プロフィール

1962年生まれ。北海道大学医学部卒業。京都大学大学院医学研究科修了(医学博士)。京都大学医学部附属病院老年科などを経て、2000年から東京都老人総合研究所研究員、2011年より現職。専門は公衆衛生学、老年医学、老年社会学。日本老年医学会代議員、日本老年社会科学会理事、日本応用老年学会理事、日本公衆衛生学会代議員、日本世代間交流学会副会長、内閣府高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会委員、厚労省一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会委員ほか、多数の自治体の審議会座長を務める。

藤原佳典氏の主な著作

  • 『子どもとシニアが元気になる絵本の読み聞かせガイド』(監修・ライフ出版社)
  • 『何歳まで働くべきか』(共編著・社会保険出版社)
  • 『ソーシャル・キャピタルで解く社会的孤立』(共編著・ミネルヴァ書房)
  • 『就労支援で高齢者の社会的孤立を防ぐ : 社会参加の促進とQOLの向上』(共編著 ・ミネルヴァ書房)
  • 『コーディネーター必携シニアボランティアハンドブック : シニアの力を引き出し活かす知識と技術』(共編著・大修館書店)

記事と関連する藤原佳典氏らの論文

  • Suzuki H, et al.: Cognitive intervention through a training program for picture-book reading in community-dwelling older adults: a randomized controlled trial. BMC Geriatrics, 2014, 14(122)
  • 鈴木 宏幸, 他: 高齢者ボランティアとの交流授業が高学年児童のコミュニケーションスキルに及ぼす影響. 日本世代間交流学会誌, 2015, 5(1), 21-28.
  • 藤原 佳典, 他: 高齢者による学校支援ボランティア活動の保護者への波及効果 : 世代間交流型ヘルスプロモーションプログラム"REPRINTS"から. 日本公衆衛生雑誌, 2010, 57(6), 458-466.
  • Sakurai R, et al.: Long-term effects of an intergenerational program on functional capacity in older adults: Results from a seven-year follow-up of the REPRINTS study. Arch Gerontol Geriatr., 2016, 64, 13-20.
  • Sakurai R, et al.: Preventive effects of an intergenerational program on age-related hippocampal atrophy in older adults: The REPRINTS study. Int J Geriatr Psychiatry., 2018, 33(2), e264-e272.

留学先の「シニアによる学校支援ボランティア」研究に衝撃を受ける

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