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【第38回】河野 博隆

河野 博隆のイメージ

河野 博隆

帝京大学医学部整形外科学講座主任教授・同附属病院副院長

骨軟部腫瘍医としての経験を踏まえ、「がんロコモ」プロジェクトを牽引

世界に先駆けて2007年に日本整形外科学会が提唱した「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」。13年からは、その定義を「運動器の障害のため移動機能の低下をきたした状態で、進行すると介護が必要となるリスクが高まるもの」とし、ロコモの啓発や予防のための活動が続けられている。そして、同学会が18年度の「運動器と健康」PR事業のテーマに挙げたのが「がんとロコモティブシンドローム(がんロコモ)」。目指すのは、ロコモ対策で手つかずのまま残されていた「がん診療」領域に、整形外科医がかかわり運動器診療を行い、それによって、がん患者が「動ける」状態を維持したり、動けない状況から「動ける」ようになることだ。がんロコモ啓発活動の先導者の一人、帝京大学医学部整形外科学講座主任教授で、同附属病院副院長の河野博隆(かわの・ひろたか)医師に、骨軟部腫瘍医としての自身の経験を踏まえ、この活動の意義や整形外科医が果たしていける役割などを聞いた。

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「骨転移キャンサーボード」が設置されている帝京大学医学部附属病院。

プロフィール

1966年生まれ。東京大学医学部医学科卒業。同附属病院整形外科、癌研究会附属病院整形外科、東芝病院整形外科を経て2004年から1年間米国ニューヨーク市メモリアル・スロー ン・ケタリング癌センターに留学。帰国後、東京大学大学院医学系研究科整形外科学専任講師、准教授などを務め、15年帝京大学医学部整形外科学講座主任教授、18年同附属病院副院長、19年帝京大学スポーツ医科学センター・センター長に就任。日本整形外科学会専門医・指導医、日本がん治療認定医・指導医、日本整形外科学会代議員、骨軟部肉腫治療研究会代表幹事、東日本整形災害外科学会理事ほか。医学博士。

記事と関連する河野博隆氏の著書など

  • 整形外科医が今日から始めるがんロコモ
    なぜ今、がんとロコモティブシンドロームなのか?:4-5,総合医学社,2019.5
  • がん患者の運動器疾患の診かた(編著),中外医学社,2019.11
  • チーム医療のためのがんロコモハンドブック
    がんロコモとは:9-14,総合医学社,2021.10
  • Bone Joint Nerve 特集 がんロコモ:がん診療のニューフロンティア 343-347 485-498,Vol.10 No.3 2020.7

整形外科がかかわることでがん治療のチャンスが広がる

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