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【第40回】廣橋 猛

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廣橋 猛

永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター長

新型コロナウイルス院内感染の艱難辛苦を経て、これからの緩和ケアを見据える

東京のJR上野駅からほど近い永寿総合病院。地域の中核病院として400床を有する。緩和ケア病棟16床も備え、周辺の大学病院やがん専門病院などから紹介される、緩和ケアを必要とする患者は年間600人を超える。そんな同院に、2020年春、発生したのが新型コロナウイルスの大規模な院内感染。第一波さなかの3月下旬から5月23日までに、医師、看護師を含む職員83人、入院患者109人の感染が確認され、うち43人の患者が死亡した。同院がん診療支援・緩和ケアセンター長の廣橋猛(ひろはし・たけし)医師は、まさに災害現場となった病院で、危機的な状況にどのように向き合い、緩和ケア診療を行ってきたのか。そして、緩和ケア病棟の入院受け入れが再開された同年6月までの苦難の3か月を経験したからこそ、自身の考えが深まっていったという、「これからの緩和ケア」とはどのようなものなのか。多忙をきわめる診療の合間に語ってもらった。

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地域の中核病院として400床を有する永寿総合病院(写真提供:永寿総合病院広報課)

プロフィール

1977年生まれ。東海大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院初期研修。2009年、緩和ケア医を志し、亀田総合病院疼痛・緩和ケア科/在宅医療部、三井記念病院緩和ケア科に勤務後、14年から現職。東京・浅草の野中医院で在宅医療にも携わる。日本緩和医療学会緩和医療専門医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医、日本内科学会認定内科医。日本在宅医療連合学会評議員、日本緩和医療学会理事。

記事執筆の参考にした廣橋猛氏の論文等

  • COVID-19と緩和ケア―院内感染の現場から 廣橋猛 緩和ケア Vol.30 No.4 JUL.2020
  • 第10回千葉緩和医療学会学術大会(2022年2月5日)
    特別講演 廣橋猛「緩和ケア×コロナ×在宅」~いま、私たちにできることを考える~
  • 『素敵なご臨終 後悔しない、大切な人の送りかた』廣橋猛 著 PHP新書

これまで取り組んできた緩和ケアが、COVID-19にすべて否定された

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