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【第52回】河野 恵美子

河野 恵美子のイメージ

河野 恵美子

大阪医科薬科大学医学部 一般・消化器外科学教室 助教
消化器外科女性医師の活躍を応援する会 会長

所属・役職は取材当時(2024年7月25日)のものです。

自身が取り組んだ研究が、日本消化器外科学会の「函館宣言」発出へつながる

2023年7月、日本消化器外科学会は、消化器外科医が男女均等に活躍するための「函館宣言」を発出した。同学会の男女共同参画に向けた表明であり、広く関心が集まった。宣言の大きなきっかけになったのは、日本で行われる外科手術の95%以上が登録されるNational Clinical Database(NCD)を用いた2つの研究で、いずれも22年に論文が発表されている。その一つからは、女性消化器外科医は男性消化器外科医よりも手術執刀数が少ないことなどが明らかになり(JAMA surgery)、もう一つでは、消化器外科医の性別による手術短期成績に差は認められないことが示された(The BMJ)。大阪医科薬科大学医学部一般・消化器外科学教室助教の河野恵美子(こうの・えみこ)医師は、前者の研究論文の筆頭著者であり、後者の研究にも参加している。河野氏自身、外科医としてどのような道を歩み、函館宣言へつなげる研究を成し遂げたのか。大阪医科薬科大学で話を聞いた。

プロフィール

2001年宮崎大学医学部卒業。佐久総合病院(研修医)、02年京都大学医学部第一外科に入局後、神戸市立西神戸医療センター外科、大阪厚生年金病院(現・JCHO大阪病院)外科医長などを経て、19年から大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)一般・消化器外科所属。消化器外科女性医師の活躍を応援する会(AEGIS-Women)会長。20年に内閣府男女共同参画局「令和2年度女性のチャレンジ賞(個人)」を、22年にパブリックリソース財団「女性リーダー支援基金~一粒の麦~」を、24年に内閣府男女共同参画局「令和6年度女性のチャレンジ支援賞(AEGIS-Women)」をそれぞれ受賞。厚生労働省医学部生等向け労働法教育事業の委員。医学博士。

河野恵美子氏の主な論文

  • Kono E, Isozumi U, Nomura S, et al. Surgical Experience Disparity Between Male and Female Surgeons in Japan. JAMA Surg. 2022; 157(9). doi: 10.1001/jamasurg.2022.2938.
  • Okoshi K,Endo H, Nomura S, Kono E, et al. A comparison of short-term surgical outcomes of male and female gastrointestinal surgeons in Japan: retrospective cohort study. BMJ. 2022 Sep 28. doi: 10.1136/bmj-2022-070568.
  • Kono E, Nomura S, Sakamoto T, et al. Gender equity in surgical instruments: ergonomics of ring-handled forceps. Minim Invasive Ther Allied Technol. 2023 Oct 2.
    Doi: 10.1080/13645706.2023.2261533.
  • Kono E, Mitsunori T, Kouchi M, et al. Ergonomic evaluation of a mechanical anastomotic stapler used by Japanese surgeons. Surg Today. 2014; 44(6): 1040-1047.

出産を機に受けた冷遇、後輩女性外科医の離職・・つらい経験を働きやすい環境作りのバネに変える

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